李朝白磁の魅力・特徴を教えて
李朝白磁の魅力・特徴についてご紹介します。
李氏朝鮮で作られた白磁
李朝白磁は14世紀から19世紀末期まで続いた李氏朝鮮で作られた白磁のことで、その美しさや希少性の高さから非常に人気が高く、高値で取引されることもある骨董品です。中国の元、明の白磁の影響を受けたといわれていますが、時代が経つにつれて独自の発展を遂げ、中国の白磁とは異なる趣があります。
今回は、李朝白磁の歴史や魅力、特徴をご紹介します。
李朝白磁の歴史
朝鮮半島では高麗時代には「高麗青磁」と呼ばれるや青磁が作られ、高麗青磁が衰退すると白い釉薬をかけた「粉青沙器」が作られるなど、古くから陶磁器が盛んに作られていました。
李氏朝鮮時代の初期に作られていたのは主に粉青沙器でしたが、中国から白磁の技術が伝わると、白く輝くような高貴さや高潔さ、白が持つ純潔のイメージが愛され、朝鮮半島でも次第に白磁が作られるようになります。その結果、16世紀前半になると粉青沙器は姿を消し、17世紀に入る頃には完全に白磁に置き換わりました。
李朝白磁は初期のころは焼き上げた白土を上塗りして装飾を施すという技法が用いられていましたが、陶工たちが磁器の鉱石を求めて広州市に移り住み、15世紀に道馬里で官窯が築かれると独自に発展し始めます。
清朝の侵攻の影響で道馬里での白磁製造が衰退しますが、その技術は金沙里にひきつがれ、官窯が作られて質の高い白磁が数多くつくられるようになります。
王朝が衰退しはじめた1752年に金沙里から広州に窯が移転され李朝白磁生産の中心になりますが1883年に窯が民営化されて官窯の歴史は終わり、1910年の日韓併合で李氏朝鮮の時代も終わります。
李朝白磁の魅力と特徴
李朝白磁は、李朝白磁が始まった14世紀から道馬里で作られていた16世紀の李朝初期、金沙里で作られていた1700年から1750年頃の李朝中期、1752年に広州に窯が移転した後の李朝後期に分けられ、それぞれ異なる特徴を持っています。
初期李朝は焼き上がった時に白い土を上塗りして装飾を施した素朴な品と、白地に酸化コバルトの釉で絵付けを施した品がありますが、どちらも器体の色が白灰色をしているのが特徴です。
優れた品が多いといわれる李朝中期になると器体の色が灰白色から乳白色に変わりより美しく変化しています。
後期李朝は中期李朝と似ていますが、中期李朝よりもずっしりとした重みがあるのが特徴です。また、初期や中期は青で絵付けが施されていましたが、後期に入ると赤で絵付けした品も登場します。
このように、時代によって異なる特徴を持つ李朝白磁ですが、どの時代においても中国の白磁などに比べると底が厚いという特徴があります。
また、器肌が滑らかで手触りがよく、「雪のような」と例えられるほど白く美しいことも大きな特徴です。
李朝白磁の魅力は、この滑らかな肌と高貴な白さ、どっしりとした重厚感と品格、さらに時代によって異なる装飾や形の特徴、希少性の高さといえるでしょう。
まとめ
李朝白磁は非常に人気が高く、その希少性からも高い価値がつく骨董品ですが、偽物も多く流通しているため購入するときは細心の注意が必要です。
また、真贋の見極めや作られた年代の判断は知識や経験がないと難しいため、売却の際は中国や朝鮮の骨董品の取り扱い実績が豊富な業者を選ぶようにしましょう。
売却を検討している李朝白磁をお持ちの方は、弊社にご相談ください。