イギリスのアンティークシルバー。スターリングシルバー(純銀)とシルバープレート(銀メッキ)の違いは何ですか?
スターリングシルバーとシルバープレートの違いをご紹介します。
アンティークシルバーの種類
銀食器を始めとしたイギリスのアンティークシルバーには、大きく分けると「スターリングシルバー」と「シルバープレート」の二種類が存在します。この二つを日本語に訳すと、「純銀」と「銀メッキ」と表現することができますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
スターリングシルバー
スターリングシルバーは銀の中でも特に純度が高い銀のことです。銀は柔らかいため通常は銅などの金属を混ぜて使用しますが、貨幣などの代わりに使用されてきた銀は純度が変わるとその価値も変わる反面、見た目だけでは銀の純度を区別することは困難です。
そのため、銀製品に含まれる銀の純度は千分率で表記するよう定められており、純度925(92.5%)のものを「スターリングシルバー」、純度900のものを「コインシルバー」などと呼ぶようになりました。
現在、スターリングシルバーと同等の純度を持つ銀製品には「Sv925」と表記されていますが、イギリスのアンティークシルバーの場合、「ホールマーク」と呼ばれる刻印が押されています。
ホールマークには製造年を表す刻印、検分所を表す刻印、メーカーの刻印などがありますが、「スタンダードマーク」と呼ばれるライオンの刻印が押されているものがスターリングシルバーです。
シルバープレート
シルバープレートは芯材となる金属の上に銀のメッキを施した製品です。
現在、銀メッキと呼ばれるものは一般的に、ニッケルの芯材に電気を流して銀の被膜をつける「電気メッキ」の方法で作られていますが、電気発明以前は薄く延ばした純銀を芯材に貼り付けて作っていました。
電気メッキで作られた製品は「EPNS」、延期メッキ以前の技法で作られた製品は「Sheffield Silver」などの表記があります。
スターリングシルバーとの違いはホールマークによって区別できるほか、固さや熱を加えたときの状態でも区別することができます。
また、芯材が銅の場合は重さがかなり違うため、慣れると手に持つだけで判別可能です。
まとめ
アンティークシルバーでもスターリングシルバーと純銀を使ったシルバープレートでは同じ年代、メーカーの品であってもその価値が大きく違います。
しかし、外見だけでは判断が難しいため、購入するときはホールマークなどを確認して判断しましょう。
また、スターリングシルバーは価値が高くシルバープレートは価値が低いといっても、実際に使用する場合は傷つきやすく扱いが難しいスターリングシルバーよりも、丈夫なシルバープレートの方が適しているということもあります。
アンティークシルバーを選ぶときは、銀の純度にこだわりすぎず自分に合った品を選べるとよいですね。