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日本画でよく聞く、狩野派と琳派ですが、その違いは何ですか?

日本画でよく聞く、狩野派と琳派の違いをご紹介します。

「唐絵」と「大和絵」

狩野派や琳派はどちらも「日本画」ですが、西洋絵画の影響を受ける前、明治期以前の日本画には「漢画」と「大和絵」という2つの流れがあります。

「大和絵」は簡単にいうと平安絵巻や百人一首のような絵で、日本の故事、人物、風景などを主題にした絵画のことです。

一方、「漢画」は鎌倉時代に禅宗と共に中国から伝来してきた水墨画が元になってできた様式で、中国の故事などが画題に使われています。

 

狩野派

狩野派は室町幕府の御用絵師だった狩野正信を祖とし、親・兄弟などの血縁関係を軸にした画家集団です。

茶道や華道のような「家元」と「弟子」の関係を構築し、技法の基礎などをまとめ上げた「絵手本」を用いて育成することで一定の品質を保った絵画を製作し続けることにより、江戸時代が終焉を迎えるまでのおよそ400年間、日本画壇の中心を占め続けてきました。

狩野派の作品は中国由来の画題を水墨画で描いて着彩し、金箔を貼るなど「漢画」の技法を主軸に置いた、豪壮で格式ばった作品が多く、武家を中心に高い支持を得ていました。

 

琳派

琳派は、漢画の技法を基礎にしながらも大和絵の要素もふんだんに取り入れた独自性の高い様式のことです。

狩野派のような血縁関係を主軸にした家元や、絵手本を用いた弟子の育成などは存在せず、琳派の様式で書かれた作品に影響を受けた画家が、同じような主題や図様、独特の技法を意識的に選択・踏襲することで受け継がれてきました。

そのため、狩野派に比べると絵師ごとの個性が大きく、伝統にとらわれない斬新さなデザインや大胆な構図の作品も多く制作されました。

型紙を使った繰り返しパターンや「たらしこみ」技法が特徴で、草木のほか物語絵、人物、鳥獣など、「大和絵」に使われる画題が描かれた作品も多く存在しています。

「ジャポニズム」として海外にも影響を及ぼし、19世紀末から20世紀初めにフランスを中心に欧州で流行した「アール・ヌーヴォー」にも琳派のエッセンスが取り込まれているといわれています。

 

まとめ

狩野派の「派」は、茶道や華道などにもみられる「流派」という意味を指しますが、琳派の「派」は背用絵画の印象派や古典派のような「様式」という意味です。

いずれも漢画に軸を置いているため、似た印象を受ける作品もありますが、全体的には「力強く格調高い狩野派」と「きらびやかで斬新な琳派」といえます。

それぞれ異なった味わいと奥深さがありますので、機会があればぜひ見比べてください。

 

 

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