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ピカソやシャガールなどでも知られるリトグラフの歴史や特徴について。

リトグラフの歴史や特徴についてご紹介します。

石版印刷とも呼ばれる版画技法

リトグラフは版を掘ったり盛ったりして凹凸を作るのではなく、水と油の性質を利用して版を作ることから「平版画」と呼ばれたり、古くは石板を使っていたから「石版画」「石版印刷」とも呼ばれる技法です。
古くから使われている木版画などに比べると比較的新しい技法で、19世紀のフランスの画家 ロートレックがポスターを描く際に使うなど、近現代のアート作品に使われています。
今回は、リトグラフの歴史と特徴をご紹介します。

 

リトグラフの歴史

リトグラフの技法は、1798年にドイツの俳優で劇作家でもあるアロイス・ゼネフェルダーが多額の借金を抱えた際、自身の手で印刷した戯曲を販売しようと考え、石灰岩の板でエッチングの版を作ろうとしたことで偶然発見されました。
エッチングとは銅などの金属板に酸やアルカリなどに耐性を持つ薬品を塗布し、その一部を除去した後に酸やアルカリを縫って腐食させることで版を作る技法ですが、ゼネフェルダーは石灰岩にクレヨンでメモを書いてこれを硝酸で洗い落とそうとしたところクレヨンのあとが残り、その部分に油性インクを塗って紙に転写することに成功。その後さらに研究と実験を重ね、音楽出版社を営んでいたアンドレ家と共同で実用化できる技術へと変えていきました。
1798年に実用可能な印刷術として完成したこの技術は「リトグラフィー」として広まり、ゼネフェルダーはヨーロッパ中で特許を取得。19世紀から本などの印刷だけではなく芸術分野での活用にも幅が広がり、1803年にはロンドンの芸術家たちが作ったリトグラフの作品を収めた画集が出版されるなど、美術の新しい技法として急速に広まります。
1837年、さらなる改良により複数の版を使った多色刷り「クロモリトグラフ」の技法が誕生。1868年には写真家で画家でもある下岡蓮杖が、日本で初めてのリトグラフ作品「徳川家康像」を出版するなど、ヨーロッパだけではなくアジアにもその技術が広まり、美術、出版業界に多大な影響を与えました。
オフセット印刷など新しい印刷技術が発明されたことで現在は印刷技術として使われなくなったリトグラフですが、美術の分野では現在も使われており、シャガールやピカソ、アール・ヌーヴォーを代表する画家であるミュシャ、ポスターの黄金時代を築いたといわれるロートレックのほか、松本零士、天野喜孝などアニメやイラストレーションの世界で活躍する作家も多数の作品を手がけています。

 

リトグラフの特徴

リトグラフの最大の特徴は、筆やクレヨン、鉛筆などで描画したタッチやにじみなどがそのまま版に記録され、紙に映し出されるということです。
また、版を重ねることで複雑な色を表現することが可能なことも特徴のひとつです。
木版画やシルクスクリーンよりも緻密で繊細な表現をしやすく肉筆に近い表現も可能なため、リトグラフ作品として作られるだけではなく、油絵作品の複製などにも使われています。

 

まとめ

偶然の発見から誕生したリトグラフは、楽譜の出版から始まり、次第に芸術分野に広がりを見せ、ポスターなどをはじめとした近現代のアート作品でも幅広く活用されました。
有名作家の作品であれば数十万円以上の価値がつくこともあるリトグラフですが、その価値を正確に判断するにはある程度の知識と経験が必要です。
リトグラフ作品の売却をお考えの方は、一度弊社にご相談ください。

 

 

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